2008年短期留学リポート

2月26日から1ヶ月間、学生6名(+引率者1名)でモスクワの労働・社会関係アカデミー大学に語学研修に行ってきました。今年モスクワは記録的な暖冬でプラスの気温の日が続き、雪もほとんどない状態でした。厳しい寒さを予想していたため、何か物足りない感じがしましたが、外を歩くには都合が良く、街の散策、買い物、観劇、エクスカーションなど、授業以外にも忙しくモスクワでの日々を過ごしました。また、研修期間中に3日間のサンクト・ペテルブルグ旅行があり、「モスクワ」、「サンクト・ペテルブルグ」というロシアの2大都市を訪れることができました。 以下、学生たちの感想です。

寮での生活について

キッチン

寮内は暖房が設置されていて、寒さに悩まされることはありませんでした。共同ではあるがトイレとちゃんとお湯の出るシャワーがあり、 дежурная(寮を管理してくれている女性達)がこまめに掃除、点検をしてくれていたので快適でした。テレビも設置されてあり、早口なロシア語のニュースを見たりしていました。

台所は同じ階の寮生活者と共同で使っていて、私達が滞在していたときには韓国、中国の人たちが多く生活し、会った時にはロシア語で挨拶し、場合によっては一緒に拙いロシア語で会話をしたのが良い思い出です。

寮の食堂

注:大学には食堂もありますので、すべて自炊というわけではないです。Приятного аппетита!

授業について 

授業

授業の内容は一言で表すと「かゆいところにも手が届く」ものでした。 先生方は、長年外国人にロシア語を教えてきたその道の「プロ」です。楽しく充実していました。

内容は、ロシア語の発音に始まりイントネーション、ことわざ、会話、文法と多岐に渡っていました。留学してよかったと感じさせることが多かったです。日本でロシア語を学習していると陥りがちな部分を丁寧にみてくださいました。

発音では特に日本人が間違い易いлとрの発音分け、軟子音、ы等を繰り返し、文法では定行動詞、不定向動詞の用い方、完了体、不完了体の使い分けについて学びました。

宿題はそれなりにありました。渡されたプリントに描かれた絵をもとに作文をしたり、日記を書いたりしました。作文、上に書いた発音、文法事項は日本でロシア語を学習する場合、十分な指導を受けることが難しい分野です。日本にないものがここにあります。ロシアでの経験はきっとこれからの学習に役立つことでしょう。

観劇について

劇場

今回の短期留学において、バレエ「白鳥の湖」とサーカスを皆で、ミュージカル「マンマ・ミーア」は個人的に2度見に行く事ができました。

バレエやサーカスのチケットは講師により手配済でしたが、「マンマ・ミーア」については、自分で駅のカッサで購入しました。物凄く頭に血が上った状態でしたが、カッサの方がロシア人にしては愛想が良く、きちんと私の希望を聞き、席についての説明もしてくれたので、納得して購入することができました。まだ到着して間もなく、露語を話す事に不安をもっていた頃でしたので、とても自信を持つことができました。

マンマ・ミーアは歌全てが露語でした。日本版や米版を観て話は知っていたので、部分的にでも聞き取ることに集中しました。訳にも工夫が見られましたし、幕間にあったダンス講習では、ノリノリのロシア人を見ることができてとても面白かったです。残念だったのは、露語版のCDが無かったことでしょうか。 U部を今年やっと卒業し、現実的に考えて今後長期留学をする事は難しいのですが、自分の意思が伝えられる喜びをまた味わいたいと感じました。今後も露語の勉強を続け、機会があったらまたトライしてみたいと思います。

モスクワの町のこと

モスクワ街中

どこまでも横にのびる建物の駐車場がものすごく広くて、まるで日本の田舎のショッピングセンターみたいだと思いました。中心地は栄えていましたが、私達がお世話になった学校の周りは、歩道がむき出しで、ブーツがまっ白になって悲しかったです。何ていうか全体的に田舎っぽかった印象があります。悪口じゃないんですよ。むしろそんなモスクワ大好き。

サンクトペテルブルグ観光

エルミタージュ

絵の中の人物に恋し、その絵の中へ自らも入り込んでしまったのは、江戸川乱歩の『押絵と旅する男』という作中の人物である。エルミタージュ美術館、絵画が並ぶいくつもの部屋を歩いて行く途中、この話を思い出し妙に納得した。見る者を圧倒させる、力を持った絵。それがここには、無数に集められている。こわい、と思った。気に入った絵はいくつもあった。しかし、それらから受ける力の強さゆえに精神が疲れるのだ。目を閉じて少し休みたいと思うほどに。

美術館を出たあとも、力とはなんだろうという疑問が残った。そこで目にした絵画の一群は、クンストカメラで見た奇形児のホルマリン漬けより恐ろしかった。前者には作り手の、見るものに力を与えようという意志、意図がある。またそれは、五感で感じた何か、考え、想いを形にする手段と技術を持った作り手による「表現」なのである。今回対面した力の強さの訳は、おそらくその辺りにあるのだろう。力にはさまざまな種類があり、また受ける状況や対象等によりその性質はいくらでも変化し得る。その範囲は広大過ぎて、全てを把握、分類することは出来ないだろう。しかしその興味深い一端を体感し、考える機会を得たことを嬉しく思う。