2005年モスクワ短期留学リポート (2/28〜3/30)

2月28日から3月30日まで、東京ロシア語学院の学生5名(+引率教員1名)がモスクワの労働・社会関係アカデミイへ語学研修に行ってきました。モスクワ南西部に位置する同アカデミイは隣接して学生寮があり、モスクワ滞在中、学生たちはその寮で生活しました。

第1日目

2月28日午後1時半に成田空港を飛び立ち、11時間のフライトを経て、現地時間3月1日午後6時半にモスクワのシェレメーチエボ空港に到着しました。その日のモスクワは気温マイナス15度ととても寒く、大粒の雪の降るあいにくの天気でした。
しかし学生たちは初めてのロシアに感激し、そして初めて体験するその寒さに驚いていました。空港では労働・社会関係アカデミイの職員の方が待っていてくれました。私たちは2台の車に分乗し、すぐに学校の寮に向かいました。悪天候と渋滞で学校到着は夜10時近くになりました。寮に着くと指示されるままにそれぞれの部屋に分かれ、その日は皆疲れきって休みました。

学生たちは寮の4階に住むことになりました。男子学生(2人)は2人部屋に、女子学生(3人)は1つのブロック内で、2人部屋と1人部屋に分かれました。各部屋にはバス・洗面台、トイレ(ユニット式でなく、別々!)があり、冷蔵庫、湯沸かし器、テレビ、卓上ランプ、ベッド、洋服ダンス、机、椅子も備え付いていて、普通に暮らしていくには何の問題もありません。部屋の掃除、ごみ出しは各階のジェジュールナヤがやってくれます。
寮では基本的に自炊することになりますが、食事は各階にある台所で作ることができます。台所には電気式のレンジが2台あり、それぞれに4つのコンロヒーターが付いているので、調理をするために順番待ちをすることもありません。寮の近くには24時間営業のスーパーがあり、食料品・日用品等、日常の買い物はそこで済ますことができます。また学校の中には食堂があり、昼はそこで食べることもできます。

学生たちは毎日授業に通いますが、寮と校舎は渡り廊下でつながっていて、部屋から教室まで5分もかかりません。外に出ないで寮から直接教室に行けるので、通学はとても楽です。授業は月曜から金曜の週5日、朝9時から昼1時15分まで。途中で30分の休憩が入ります。昼過ぎに授業は終わるので、午後は街を散策したり、劇場に行ったりと自由に時間を使うことができました。
労働・社会関係アカデミイには、去年の4月から3ヶ月間、当学院でご指導していただいたアキーシナ先生がおられ、学生たちは先生との再会をとても喜びました。そして授業も月曜、水曜、金曜はアキーシナ先生が担当してくださいました。久しぶりに受けるアキーシナ先生の授業に学生たちも張り切り、楽しそうに勉強していました。アキーシナ先生の他に2人の女性の先生も授業を受け持ってくれました。アキーシナ先生を初め、各先生方熱心に教えて下さいました。

授業の後や休日には、街を散策したり、映画館に行ってロシア映画を見たり、ボリショイ劇場でオペラを鑑賞したり、ジプシー劇場、サーカス、美術館などに行き、ロシアの芸術・文化にも触れました。お土産を買いにイズマイロフ公園のオープンマーケットに行きましたが、そこで学生たちは売り子とロシア語で値引き交渉をしながら買い物をしました。学生たちにとって良い会話の実地訓練になりました。残念な事にベルニサーシュはそれから2週間後、火事で焼けてしまいました。
留学中には色々な見学・観光をすることができました。モスクワ見学、クレムリン見学、トレチャコフ美術館見学、セルギエフ・パサード観光、サンクト・ペテルブルグ観光です。観光の目玉であったサンクト・ペテルブルグには4日間滞在し、エルミタージュ美術館、ペトロパブロフスク要塞、ロシア美術館、ネフスキー修道院、カザン寺院、イサク寺院等を見学しました。またペテルブルグ近郊のツァールスコエ・セロにも行き、エカテリーナ宮殿を見学しました。宮殿の豪華さ、きらびやかさに皆息を呑み、見とれていました。
モスクワは3月半ばを過ぎても寒い日が続き、春の訪れは感じられませんでした。毎日のように雪が降り、道路にはたくさんの雪が残っていました。帰国がせまった3月下旬になってようやく春らしい陽気になりましたが、それでも私たちがモスクワを発った3月30日には、たくさんの雪が残っていました。
実際にモスクワで一ヶ月暮らしてみたことで、学生たちは教科書では知ることのできないロシアを肌で感じることができたと思います。ロシアでは良い体験だけをしたわけではありません。不快なこともありました。しかし、学生たちは日本ではできない貴重な体験をしたのだと思います。
学生たちの感想

授業について

  • モスクワでの授業は、全てロシア人の先生によって、ロシア語で行われました。知っている単語ばかりでは無かったので、少しでも理解しようと熱心に授業に取り組めました。また教科書のみではなく、その日観光する予定の建物について学んだりと、幅広い知識を得ることが出来ました。宿題も多く出ましたが、街で人に道を尋ねたり、劇場の切符売り場でチケット購入の練習をしたり、日本では経験出来ない興味深いものでした。授業や宿題によって、ロシア語に耳を慣らす準備が出来、また頭の中で日本語からロシア語に訳すのではなく、ロシア語の単語を思い浮かべて文章を作る準備も出来たように思います。授業を受け、今後自分が更に勉強しなければならないと感じ、益々ロシア語への意欲を持つ貴重な体験となりました。
  • 寮での生活について

  • 寮での生活は、想像していたものよりもはるかに良かったです。部屋はとても明るく、綺麗で、思っていたよりも広く、眺めも良かったです。私たちのいた4階は外人用の階で、同じ階には韓国人やベトナム人、ネパール人、ブルガリア人などさまざまな国の人がいました。共同で使っていた台所で料理を作りながら話したり、部屋に行ったりといろんな人たちとも交流ができました。寮母さんもよく働いていて、私たちの部屋に来ては色々な話をしてくれ、生きたロシア語の勉強もできました。皆とても良い人達でいい寮だったので、もしロシアに留学する機会があれば、またこの学校でこの寮に住みたいです。
  • 見学について

  • 短期留学では、名所や博物館といった所を数多く巡る事が出来ます。 また、学生として、そういった場所を訪れるので、格安な料金であったり、無料だったりと、嬉しい特権が有ります。しかし、普通の旅行と違うところは、ロシアで学ぶ学生という扱いなので、もちろん説明は全部ロシア語です、それに歴史に関する難しい単語も数多く出ます。なので、一瞬でも気を抜くと、頭の中で整理できず、どんどん置いていかれて、説明が終わる頃には、真っ白になってしまいます。実際、分からない事が大半で、近くで見学している小学生達に向けての説明を盗み聞きして、やっと何について言われているかを理解するのがやっとでした。
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  • 見学が終わった後は、授業で、何を見たか、何を知ったか等を、先生に質問されるのですが、そういった事も、自分がどれだけ理解できていたのかを知るテストになって面白いです。なぜなら、自分が理解できている事柄になると、ちゃんと説明できて、自分の知っている言葉を使って、言えるようになっているからです。
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  • 毎回、毎回、見学において容赦なく襲い掛かってくるロシア語の説明は、身も心も疲れるといっても、おかしくないくらい大変です。しかし、普段の勉強においては、テキストも無しに言われている事を、短時間で集中し、自分の知識を活用して、頭の中で整理する、そしてそれを説明する、そういった経験は、テストや、検定ぐらいなので、数字と名詞と専門用語がたくさん出る話をたくさん聞ける事は、非常に有意義だったと思います。
  • 街について

  • 今日はアルバート街を歩いて、ゲルツェンの家博物館を訪ねてみようと思う。赤の広場近くのコーヒーショップから歩き出す。白い大きな建物の前を通り過ぎた。モスクワ大学の旧館である。玄関の正面にソ連邦のマークが残っている。人の気配はない。前方にバロック建築の目の覚めるような水色の建物がある。これも大きな建物だ。昔の貴族の館でもあるのだろう。
  • アルバート通りとノーヴィアルバート通りの岐路の立つ。広い街路のノーヴィアルバート通りの向こうにスターリン建築のウクライナホテルが見える。アルバート通りは左側だ。両側にレストラン、花屋、貴金属店などが並び、道路の中央帯におみやげやの露店が続いている。左側の横丁に入る。黄色い壁の家が立ち並ぶ。都心とは思えないほど静かである。ゲルツェンの家博物館はほどなく見つかった。やはり黄色い壁の平屋建て。あいにくこの日は休館であった。
  • ロシア人について

  • 私たちはたくさんのロシア人と出会いました。
  • 大学の売店で働いているおばちゃんは、いつも忙しく厳しい顔をしていましたが、私たちが買いに行くと、いつもニコッと微笑んでくれました。そして単語の変化を直してくれたり、小銭でピッタリ払うと褒めてくれました。
  • この1ヶ月で出会った運転手さんはみんな運転がとても上手でしたが、雪がつもっている道路を速いスピードで走るなどの怖い思いもしました。
  • 靴屋さんでは、店員さんが本を読んでいたり、休んでいたり、店員さん同士でにぎやかにおしゃべりしていたりと、とてものんびりしていました。
  • 道や道路では昼間からお酒を飲んでいる人をしばしば見かけました。悪いことをする人もいましたが、みんなとてもやさしくて親切でした。
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